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2023.10.13 農業のこと

玉ねぎを育てよう! その1

これから、植付けの時期を迎える「玉ねぎ」
今回は玉ねぎ苗の上手な育て方について、苗の選び方~植付けまでを解説します!

キホンの“キ”

  • 植付け適期:10月下旬~11月初旬
          ※栃木県那須塩原市の場合
  • 収穫までの期間:約6ヶ月
  • 適正な土壌酸度:6.0~6.5
  • 連作障害:玉ねぎは連作障害が出にくいので、同じ場所で連作ができます。

良い苗の選び方

玉ねぎを上手に育てるコツのひとつが、「適期に適正なサイズの苗を植えること」!
苗が貧弱すぎると根付きにくく、逆に太すぎると「とう立ち」のリスクが高まります。
【 良い苗のポイント! 】
・長さ:25cm~30cmほど
・太さ:鉛筆ぐらいの太さ(直径 5~7mmほど)
苗を購入するときは、長さと太さをしっかり吟味して、ベストな苗を選びましょう!

💡「とう立ち」って何?
まず、「とう」とは、花を咲かせる茎のことを指します。
この茎がニョロニョロと伸びてしまった状態のことを「とう立ち」といいます。
植物は「栄養生長」「生殖生長」の、2段階の生長を経て大きくなっていきます。
栄養生長とは、葉や茎などの植物自身が大きくなるためのものです。
一方で生殖生長とは、花や果実、種を作り子孫を残すためのものです。
「とう立ち」は、この生殖生長が始まったサインになります。
普段、私たちが食べている玉ねぎは、葉の付け根が太った部分なので、「とう立ち」が起こって花や果実の方に栄養が行くと、味が落ちたり可食部が小さくなってしまったりします。
「とう」は見つけ次第、早めに摘み取るようにしましょう!

畑の準備をしよう

玉ねぎを上手に育てるには「土づくり」もとっても重要です!
栽培期間が約6カ月間と長い玉ねぎは、土づくりで良し悪しが決まります!
遅くても、植付けの2週間前には土づくりを始めましょう。

1. 土づくり

石灰と堆肥を混ぜ込む

玉ねぎは、酸性の土壌を嫌います。
pH6.0~6.5を目安に、弱酸性~中性の土壌に調整します。
その際、有機石灰を混ぜ込むと、土壌中にカルシウムやマグネシウムなどの微量要素を補給することができます!
さらに、土壌中の微生物の働きを活性化する効果もあるため、野菜が育ちやすい環境を作ってくれます。
これらの効果は長く続くので、栽培期間が長い玉ねぎには持って来いの商品です!
ただ、有機石灰はアルカリ度が低いため、酸度の高い土壌を調整するのには向いていません。
その際は、アルカリ度の高い「苦土石灰」を使うのがオススメです。

堆肥は、土壌改良効果の高い牛ふん堆肥がおすすめ!
牛ふんは繊維質を多く含んでいるため、土がふかふかになり、通気性や保肥性が改善されます。

💡ここでワンポイント!
土壌酸度(pH)を「1」上げる(アルカリ性に近づける)のには、 1㎡あたり苦土石灰を100~200g施します。
土壌酸度のチェックには、pHを簡単に測定できる「簡易土壌酸度計」がおすすめです!
電池いらずで土に指すだけで簡単に測定ができます。
価格もお手頃なので、家庭菜園で作物を育てている方にもオススメです!

2.元肥をすき込む

植付けの1週間前くらいに、元肥をすき込みます。
玉ねぎは浅く根を張るため、表層に施すとGoodです!
石灰と一緒に混ぜ込むのは絶対にNGです!石灰を混ぜた後は、1週間ほど間隔をあけてから元肥を施しましょう。

スタッフおすすめの肥料!

  • 追肥が不要な「一発肥料」シリーズ
    あまり手間をかけずに玉ねぎを育てたい方にオススメなのが「一発肥料」シリーズ
    緩効性の長く効く肥料を配合しているため、まさに“一発”だけ肥料をやれば収穫終わりまで追肥は不要です!
    通常、玉ねぎは栽培期間中に3回ほど追肥を施す必要があります。
    一発肥料を使えば元肥だけで済むため、追肥の手間を省くことができます!
  • ワンランク上を目指すなら「極肥料」
    食味と大きさが抜群の、ワンランク上の玉ねぎを作りたい方には「寅ちゃんの極肥料」がおすすめ!
    ねぎ・玉ねぎ専用に作られた肥料で、超アミノ酸とも呼ばれる「フィッシュソリュブル」という珍しいアミノ酸を配合しています。
    うま味成分を豊富に含む超アミノ酸が、玉ねぎの旨さと甘さを引き出します!
    また、生育初期での根張りが強くなるため、玉ねぎの生育を促して重く締まった大玉が収穫できるようになります。

3.黒マルチを張る

マルチを張ることで、保温や地温を上げることができます。
根が張りやすくなり、寒さ対策にもなります。
さらに、雑草が生えるのを防ぐ効果もあるため、まさに一石三鳥です!

植付けをしよう!

玉ねぎのの植付けは、その地域ごとの適期に植えつけることが大切です!
植付けが早すぎると「とう立ち」を招き、遅すぎると寒さに負けてしまいます。
また、しっかりと根が張る前に、寒さで地面が凍ってしまうと苗が浮き上がって風で飛ばされてしまうことも!
きちんと適期に植付けをして、本格的な冬になる前に根を張らせることが大切です。

植付け手順

  1. マルチ穴に指で植付け用の穴を開け、根元から挿し込むように植付けます。
    マルチ穴は、株間・条間ともに15cm間隔で開けましょう。
  2. 苗の白い部分を2cmほど埋めて、株元を押さえます。
    分岐している部分を埋めてしまうと、生育が悪くなってしまうので深植えは厳禁です

💡ここでワンポイント!
植付け後すぐに、リキダスをかけてあげると根の活着が良くなります!
1000倍に薄めて(1Lの場合は1ml)、ジョウロなどで株元に撒きましょう。

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最後までご覧いただき、ありがとうございました✨
玉ねぎを上手に育てるには、土づくりと適期での植付けがとても大切です!
ポイントを押さえれば、初心者の方でも育てやすい玉ねぎ。ぜひ作ってみてはいかがでしょうか?
次回は、追肥や収穫、上手な貯蔵方法について解説予定です!