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2023.10.06 園芸のこと

意外と知らない!園芸用土のあれこれ その1

ガーデニングを始めるときに、なくてはならないものの一つが「園芸用土」
たくさん種類があるため、どの土を買えば良いのか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか?
それぞれの性質や特徴を知ることで、ガーデニングがより上手に、より楽しくなること間違いなしです!

園芸用土の種類

園芸用土は、主に基本用土、補助用土(改良用土)、培養土の3種類に分けられます。

  • 基本用土
    基本用土とは、さまざまな土をブレンドした際に、土壌全体の50%以上を占める「主体」となる土を指します。
    ガーデニングで最もよく使われる土たちです!
    例:赤玉土、鹿沼土、黒土 など
  • 補助用土(改良用土)
    補助用土とは、基本用土をより良くするための土のことをいいます。
    保水性や通気性、保肥性などを高めることができます!
    例:腐葉土、ピートモス、バーミキュライト、パーライト など
  • 培養土
    培養土とは、数種類の基本用土と補助用土、肥料を混ぜ合わせて特定の植物に合うように配合された土のことをいいます。
    例:花・野菜用の培養土、種まき用土 など

今回は、ガーデニングで最もよく使われる「基本用土」についてご紹介します!

基本用土の種類

赤玉土

赤玉土は、「関東ローム層」と呼ばれる地層から取れる土のひとつです。
関東ローム層は、関東平野一帯に見られる地層で、火山灰が長年降り積もってできたものです。
これを掘り出して乾燥させたり砕いたりして、粒状にしたのが赤玉土です。
赤玉土は肥料分をほとんど持っていないため、肥料として使うことはできません。

赤玉土の良いところ!

  • どんな植物にも使いやすい
    赤玉土は、保水性・排水性・保肥性に優れていてバランスも良いため、とても使いやすい基本用土です。
    原料の赤土が粘土質のため、鹿沼土よりも保水性・保肥性に優れています。
    また、赤玉土の酸度(pH)は5.5~6.5ほどで、ほとんど酸度調整をしなくても草花や観葉植物の栽培ができます。
    観葉植物や多肉植物、塊根植物など幅広い植物に使うことが出来ます。
  • 害虫や雑菌が付きにくい
    赤玉土は、腐葉土などとは違って肥料分がほとんどありません。
    そのため、肥料分をエサとする菌や害虫が付きにくく、繁殖もある程度は防ぐことができます。
    植物を室内で育てる際に、「コバエなどの虫が気になる!」という方は赤玉土を使ってみると良いかもしれません。

💡「硬質」赤玉土は何が違うの?
赤玉土を焼き固めて、固くしたものが「硬質」の赤玉土です。
通常の赤玉土は水やりや雨風によって、だんだんと粒が崩れ、普通の赤土に戻ってしまいます。
そうすると、一気に排水性が悪くなってしまい、根腐れの原因となることがあります。
一方で、硬質赤玉土は固く焼き固めているため粒が崩れづらく、通気性や排水性を長く保つことができます。
その分、保水性や保肥性は低いので、保水性の高いピートモスなどを混ぜて使うのがオススメです。

鹿沼土

鹿沼土は、赤玉土と同様に関東ローム層で採取できる土です。
栃木県の鹿沼市で取れることから「鹿沼土」という名前がつきました。
鹿沼土も、ガーデニングには欠かせない基本用土のひとつです。

鹿沼土はこんな土!

  • 害虫や雑菌が付きにくい
    赤玉土と同様に、鹿沼土は害虫や雑菌のエサとなる肥料分をほとんど含んでいません。
    細菌の発生を抑えることができるため、挿し木や種を育てる苗床として使うのがオススメです!
  • 酸性の土
    鹿沼土の酸度は「4.0~5.0pH」ほどで、酸性に分類されます。
    赤玉土との大きな違いは、この酸度の高さです!鹿沼土は、酸性が苦手な植物には向いていません。
    酸性を好むツツジやブルーベリー、サボテン、多肉植物などと相性が良い土です。
  • 排水性と通気性に優れている
    鹿沼土は、赤玉土よりも排水性・通気性に優れています!
    また、鹿沼土は粒が崩れにくく形を維持しやすいため、排水性と通気性を保ちやすいのも嬉しいポイントです。

赤玉土と鹿沼土の使い方

基本的には、赤玉土と鹿沼土を混ぜ合わせたり、腐葉土やバーミキュライトなど他の土と混ぜ合わせて使います。
鹿沼土は肥料分がほとんどない、酸度の高い土のため、鹿沼土だけだと植物がうまく育たない場合があります。
一方、赤玉土は粒の強度が低いために崩れやすく、徐々に水はけが悪くなっていってしまうという弱点があります。
赤玉土と鹿沼土を混ぜ合わせて使うことで、土壌酸度を調整できたり、水はけの良さを長く維持できたりします!
「赤玉土:鹿沼土=3:2」の割合で混ぜ合わせるのがオススメです!

大粒?小粒?どれが良いの?

赤玉土や鹿沼土は、粒の大きさによって特徴や使い方が変わります。
粒の大きさが小さくなるほど保水性・保肥性が高くなり、大きくなるほど排水性と通気性が高くなります。

  • 大粒
    直径1cm以上
    鉢底石の代わりに使うことがほとんどです。庭の土などに混ぜ込むことで、水はけの良い土を作るのにも役立ちます。
  • 中粒
    直径7mm~1cm程度
    植物を鉢植えする際に使います。小さい鉢であれば、鉢底石としても役立ちます。
    軽石を鉢底石にするより保水性があるため、水切れに弱い植物を植える時などにオススメです。
  • 小粒
    直径5mm~7mm程度 中粒と同様に、植物を鉢植えする際に使います。
    中粒よりも保水性があり、排水性も持ち合わせているため、とても使いやすい大きさです。
    また、粒が小さいため、植物が抜けにくいというのも嬉しいポイントです!
  • 細粒
    直径2mm以下
    鹿沼土は挿し木や苗床に、赤玉土はテラリウムの用土として使います。
    保水性がかなり高くなるため、湿気を好む植物を植えるのに向いています。
    反対に、湿気を嫌う植物は根腐れを起こす心配があります。

使う目的や植えこむ植物によって、粒の大きさを選ぶことが大切です!

黒土

黒土も、関東ローム層で取れる真っ黒な色をした土です。
軽くて柔らかく、触ってみると「ホクホク」としていることから「黒ボク」とも呼ばれています。

黒土の良いところ!

  • 保水性や保肥性に優れている
    保水性が良いと、植物の生長に必要な水をためることができるため、乾燥が苦手な植物にとって育ちやすい環境をつくることができます。
    また、保肥性が良いと一時的に栄養をためてくれるため、植物が効率よく栄養を吸収することができます。
    雨水によって栄養分が流れづらいのも嬉しいポイントです!
  • 土壌の保温ができる
    黒土は太陽の熱を吸収しやすく、土の中に熱を保つこともできます。
    寒い地域で野菜などを育てる際に向いています。

黒土の使い方

黒土は、野菜や球根、花などを育てるのに向いています!
野菜や植物が育ちやすい「ふかふか」の土なので、作物が変形することなく「のびのび」と育ちます。
また、土の中に栄養分を蓄えておくことができるので、球根や花が必要なときに必要な分だけ栄養を摂取することができます。
なお、黒土自体に栄養分はないため、別で肥料を与える必要があります。

知っておきたい、注意点

  • 通気性や排水性が悪い
    黒土だけで植物を植えてしまうと、根腐れを起こしてしまったり、枯れてしまったりする恐れがあります。
    排水性や通気性の良い、赤玉土や鹿沼土と混ぜて使うのがオススメ!
    その際の黒土の量は、全体の3~4割ほどで大丈夫です。
  • 土壌中のリン酸を奪ってしまう
    黒土には「リン酸」という栄養素を吸着してしまう性質があります。
    そのため、肥料としてリン酸を与えても、黒土がリン酸を奪ってしまうのです…!
    黒土を混ぜる際は、量を少量にしたり、リン酸を多く含む「骨粉」や「バッドグアノ」などの有機肥料を一緒に混ぜ込んだりするのがオススメです!

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最後までご覧いただきありがとうございました✨
今回は、基本用土の中でも使われることの多い、赤玉土・鹿沼土・黒土の3つについてご紹介しました。
それぞれの性質を知ったうえで、植える植物との相性を考えて選ぶことが大切です!
次回は、バーミキュライトや腐葉土などの「補助用土(改良用土)」について配信予定です!