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2023.07.25 農業のこと

『肥料』を知ろう!

植物の生長に欠かせない肥料。
化学肥料や有機肥料、液体肥料や固形肥料、「肥料」にはさまざまな種類があります。
「それぞれ何がちがうの?」「こんな時は、どの肥料を使えばいいの?」などなど…
今回は、そんな肥料の疑問を解決するべく、それぞれの違いや使い方などを解説いたします!

肥料の栄養素

肥料の三大要素

植物の生育には、16種類もの栄養素が必要とされています。
その中でも「チッソ」「リン酸」「カリウム」が最も多く必要とされ、これを「肥料の三大要素」といいます。

  • チッソ(N)
    植物にとって、最も大切な栄養素です。
    実、葉、茎、根など植物全体の生育を促進させたり、葉の緑色を良くしたりする働きがあります。
    チッソが不足してしまうと、葉が小さくなったり色が薄くなったりと、生育不良に陥ってしまいます。
    しかし、多く与えすぎてしまうと茎が徒長し、葉も弱くなってしまうため与える量には注意が必要です。
  • リン酸(P)
    葉や根の生育をサポートするだけでなく、花つきや実つきを良くする働きがあります。
    リン酸が不足すると、花つきや実つきが悪くなるため生育期から花期までに与えると効果的です。
  • カリウム(K)
    根の発育を促進させたり、植物が丈夫に育つのに必要な栄養素です。
    寒さや暑さ、病害週に対する抵抗力をつける働きがあります。
    カリウムが不足すると、生育が悪くなり病害虫の被害を受けやすくなってしまいます。

肥料の中量要素

カルシウムやマグネシウムなど、肥料の三大要素に次いで重要な栄養素のことをいいます。

  • カルシウム(Ca)
    害虫に対する抵抗力をつける働き、根の生育を助ける働きを持っています。
    植物は、さかんに生長している部分が最もカルシウムを必要とします。
    白菜やレタスなどの結球野菜の場合は芯や葉の部分、伸長している植物では新葉、新芽などです。
    カルシウムが不足すると、新芽や根の生育が悪くなりまってしまいます。
    例えば、トマトの「尻腐れ症」、白菜の新芽の先が枯れる「芯腐れ症」などもカルシウム不足から起こります。
  • マグネシウム(Mg)
    物の光合成に必要な葉の「葉緑素」を作る働きを持っています。
    不足すると、葉が黄色くなったり葉脈の間に不規則な黒い斑点ができたりと、生育不良に陥ってしまいます。

💡ここでワンポイント!
植物の生長に必要な栄養素のうち、その必要量がごく微量のものを「微量要素」といいます。
ホウ酸、鉄、モリブデン、マンガン、亜鉛、銅、塩素の7つの養分が含まれます。
いずれも植物の生長に欠かせない成分ですが、必要とされる量は微量です。

肥料の種類

原材料のちがい

肥料は、原材料によって「有機質肥料」と「無機質肥料」の2種類に分類されます。

  • 有機質肥料
    牛ふんや豚ぷん、鶏ふん、油かすなどの動植物性由来のものを原料とする肥料のことをいいます。
    有機質肥料は、主に土への栄養補充や土壌改良に使われます。
    土の中の微生物の働きで分解されることで、植物が吸収できる養分に変わります。
    効果が長く、穏やかに続くのが特徴です。
  • 無機質肥料
    一般的に、「化学肥料」と呼ばれているものが無機質肥料にあたります。
    リン鉱石やカリ鉱石といった地球上にあるさまざまな鉱物を分解して作った肥料のことをいいます。
    土壌改良効果はほとんどないため、追肥として使われることが多いです。
    無機質肥料には様々な栄養素が含まれており、有機質肥料と比べて即効性があるのも特徴です。

💡ここでワンポイント!
肥料と堆肥は似ていますが、それぞれの役割に違いがあります。
肥料は植物の栄養を補うもので、チッソ、リン酸、カリウムが三大要素となっています。
一方で堆肥は、栄養を補うだけでなく、土を良くする改良材としての役割が大きいです。
堆肥を使うことで、土が「ふかふか」になり、水はけと水もちのよい土を作ってくれます。

性質のちがい

肥料は、原材料での違いのほかに、性質でも分けることができます。

  • 緩効性肥料
    肥料の効き方がゆっくりで、一定期間、効果が持続する肥料のことを指します。
    作物の生育に合わせて、ゆっくりと土に溶けて効くので、作物が肥料をほしい時期に必要な分だけ与えることができます。
    また、肥料焼けも起こしにくいのも特徴です。元肥でも追肥でも使うことができます。
    例)マグァンプシリーズ
  • 遅効性肥料
    まいてから、しばらく経って効果がでる肥料のことを指します。
    与えてもすぐに効果を発揮せず、土中の微生物に分解されて、はじめて効果を発揮します。
    使用するものによって違いがありますが、効果が出るまで少なくとも1ヶ月以上かかるものもあります。
    冬に施す肥料(寒肥)や元肥として使われることが多いです。
    例)骨粉や油かすなど
  • 速効性肥料
    まいた直後から、早めに効果が出始める肥料のことを指します。
    速効性がある反面、効果は長続きせず、一週間程度でなくなります。
    開花期や生育が盛んな時期に追肥として使うのが、おすすめです。
    例)ハイポネックスなど

形状のちがい

粒状、粉末、液体など肥料にはいろいろな形状のものがあります。

  • 固形肥料
    粉状、粒状など固形の状態の肥料をいいます。
    固形肥料には骨粉、油かすなどの原料を固めて作る有機質の肥料と、チッソ・リン酸・カリなどを化学的に合成した化成肥料に分かれます。
    液体肥料に比べると、効果はゆっくりと持続するのが特徴です。追肥や元肥に使われます。
  • 液体肥料
    液体肥料は、肥料成分を水に溶かした液体の肥料のことをいいます。速効性に優れ、効果が素早く現れます。
    その反面、長続きしないのが特徴です。 追肥に使われることが多いです。

💡ここでワンポイント!
液体肥料とよく混同されがちなものに「活力剤」があります。
この活力剤にも肥料分は含まれていますが、法律で定められた基準値を満たしていないため、厳密には肥料ではありません。
肥料というよりは、サプリメントや栄養剤として覚えておきましょう。

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いかがだったでしょうか?
ひとくちに「肥料」といっても、原材料や性質、形状などでさまざまな違いがあります。
土や植物の状態をよく観察し、それぞれにあった肥料を選ぶことが大切です。