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2023.09.16 農業のこと

稲刈りあとに、石灰窒素!

早いもので、今年の稲刈りももうすぐですね。
そんな稲刈りあとに、ぜひ使っていただきたいのが「石灰窒素」です。
実は、この「石灰窒素」、1つで何役もこなす超優れものなんです!

石灰窒素って?

石灰窒素は、1901年(明治34年)にドイツで発明された、110年以上もの長い歴史をもつ肥料です。
肥料効果だけでなく、土づくり効果や農薬効果もあり、1つで3役をこなす優れものです!
農薬として、きちんと登録もされているため、安心して使用することができます。

石灰窒素の「3つ」の効果!

農薬効果

石灰窒素の主成分である「カルシウムシアナミド」は、土の中で水に溶けると「シアナミド」という成分に変化します。
この「シアナミド」が、農薬としての効果を発揮します。
雑草の防除や、ジャンボタニシやセンチュウなどの殺虫、根こぶ病の抑制など様々な効果があります。
また、農薬として機能を終えた後は、肥料に変化するため農薬成分が残留しないのも嬉しいポイントです!

【 農薬としての効果 】
・水田や畑地に生える、一年草雑草の防除
・根こぶ病の抑制(白菜、キャベツ)
・センチュウ類、スクミリンゴガイの防除
・ノビエの休眠覚醒
 → 冬に発芽させて、枯れさせる。

【 農薬としての期間 】
農薬として、効果を発揮する期間は土壌の水分や温度などの条件によって異なります。
・暖地:散布後 3~7日間
・寒地:散布後 7~10日間
この期間での播種・植付けは絶対に避けましょう!タネや苗が枯れてしまう恐れがあります。

肥料効果

石灰窒素は、農薬としての機能を終えた後に、肥料として効果を発揮します。
農薬として働いた「シアナミド」という成分は、1週間ほど経つと「アンモニア態チッソ」という肥料成分に変化します。
さらに、その後にゆっくりと時間をかけて「硝酸態チッソ」という成分に徐々に変化していきます。
このように、「アンモニア態」から「硝酸態」に変化することを「硝化」といいます。
石灰窒素は、一般的なチッソ質肥料と比べて硝化速度が遅いため、チッソの肥料効果が長く続きます。
また、石灰も含まれているため、土壌への石灰成分の補給もできちゃいます!

💡ここでワンポイント!
チッソが「硝化」すると、水に溶けやすくなり、より植物に吸収されやすくなります。
硝化速度が速いと、すばやく効果が現れますが、持続期間は短いです。
反対に、硝化速度が遅いと効果が現れるのも遅いですが、長く効果が続きます。

土づくり効果

石灰窒素は、稲わらや麦わら、収穫後に残る茎や葉の腐熟を促進し、土の中で堆肥を作ってくれます。
通常の堆肥を施肥するのと、同じくらいの効果があると言われています!

Q.なぜ、腐熟が促進されるの?
A.それは、石灰窒素が、微生物が働きやすい環境を作ってくれるから!
チッソは、微生物の栄養源になる栄養素です。エネルギーとなるチッソがあることで、微生物の働きがより活発になります!
また、石灰窒素に含まれる石灰成分が、稲わらや麦わらなどの繊維をやわらかくし、微生物が分解しやすいようにしてくれます。
さらに、アルカリ分が土の中のpHを適正に保ち、微生物が働きやすい環境へと変えてくれます。

微生物が働きやすい環境を作ることで、動きが活発になり悪天候や病害虫に強い土壌へと変化します!

稲刈り後に、ぜひ使って欲しい!

石灰窒素は稲わらなどの腐熟を促進し、ガスわらや浮きわらの発生を抑制してくれます。
さらに、土壌中の微生物が活性化することで地力が向上し、強い土壌へと変化します!
さらにさらに、土壌中に少なくなったチッソ分や石灰成分の補給もでき、まさに一石三鳥です!

【 使用量の目安 】
・稲わらのすき込み:10~20kg/10a
・収穫残渣のすき込み:10~30kg/10a
・緑肥のすき込み:20~60kg/10a

使用上の注意点

石灰窒素に含まれるシアナミド及びアルカリ分は人体、動植物などに影響します。
そのため、使用上の注意をよく読み、安全に取り扱ってください。
散布する際はマスクなどを付け、吸い込まないようし、また、皮膚に付着しないようにします。
周囲に注意して、できるだけ飛び散らないように散布してください。