2023.04.28 園芸のこと
魅惑の植物#02 食虫植物
TaiShoDoスタッフおすすめの植物を紹介する、魅惑の植物シリーズ!
今回は怪しくて美しい、「ハエトリソウ」と「ウツボカズラ」についてご紹介します✨
ぜひ、最後までご覧ください!
ハエトリソウ
キホンの「キ」
- 植物名:ハエトリソウ(ハエトリグサ)
- 和名:蝿取草
- 科属名:モウセンゴケ科 ハエトリグサ属
- 形態:落葉性、多年草
- 開花期:5~7月
- 花色:白
- 耐寒性:普通(最低0℃以上をキープします)
- 耐暑性:やや弱い
ハエトリソウの特徴
食虫植物の中でも代表的な、「ハエトリソウ」。
その姿はとても個性的で、補虫葉と呼ばれる二枚貝のような葉を持っています。補虫葉の内側には、片側に3本ずつ「感覚毛」と呼ばれるセンサーがあり、このセンサーに2回触れることによって葉を閉じて虫を捕獲します。
原産国の北アメリカは、日本に似たような環境であるため育てやすい植物です。
ハエトリソウの育て方
- 日当たり、置き場所
ハエトリソウは、日当たりの良い場所を好みますが直射日光は苦手で、葉焼けの原因にもなります。レースカーテン越しの、やわらく日が当たるような場所がオススメです。1日6時間ほどは日に当ててあげましょう。
夏は、風通しの良い日陰に置きます。冬は、室温を0~5℃で保ち休眠させ、春の生長期に備えましょう。 - 土づくり
ハエトリソウは湿地帯に自生しているため、常に湿った状態を好みます。保水性のある水苔がおすすめです。
用土の場合は、通気性のよい鹿沼土・赤玉土・パーライト・ピートモスなどを使用し、それぞれ同じ割合で混ぜ合わせて使用します。
なお、ハエトリソウの性質上、地植えはできません。鉢植えで育てるようにしましょう。
- 水やり、肥料
ハエトリソウは、腰水がおすすめです。
腰水とは、受け皿の中に2~3cmほどの水を入れておく方法です。
春と秋:1日1回以上、土の表面が乾いていたら、たっぷりと水をあげましょう。
夏:1日に2~3回以上、水をあげましょう。腰水が温まっているとハエトリソウに良くないため、定期的に水を換えます。
冬:土の表面が乾いていたら水をあげるようにします。腰水も定期的に交換しましょう。
また、基本的に肥料は必要ありません。根っこを傷めてしまう場合があります。
💡ここでポイント!
捕虫葉を触ったり、虫を入れたりしないようにしましょう。
ハエトリソウは、葉を閉じるたびに多くのエネルギーを使うため、寿命を縮める原因になってしまいます。 - 病害虫
風通しの悪い場所や空気が乾燥している場所では、アブラムシやハダニの被害にあう場合があります。
風通しの良い場所に置くようにし、常に湿った状態をキープすることが大切です。 - 剪定
ハエトリソウの剪定は、通年可能です。枯れた葉や花を剪定します。
枯れた葉はカビの原因になるため、適宜取り除くようにしましょう。
ウツボカズラ
キホンの「キ」
- 植物名:ウツボカズラ
- 和名:靫葛
- 科属名:ウツボカズラ科 ウツボカズラ属
- 形態:常緑性、つる性、多年草
- 開花期:6~7月
- 花色:黄色
- 耐寒性:弱い
- 耐暑性:強い
- 最適温度:15℃~35℃
- 最適湿度:50%以上
ウツボカズラの特徴
ぷっくりと膨らむ、つぼ型の捕虫器が特徴的なウツボカズラ。
熱帯アジアを中心にオーストラリア北部などで、約90種類以上が自生しています。
捕虫器の中の液体は、ほとんどが水ですが消化液が含まれているため、虫を消化することができます。
食虫植物は、栄養が少ない土壌に生育していることが多いため、虫を食べることで窒素やリンなどの栄養を補っていると言われています。
ウツボカズラの育て方
- 日当たり、置き場所
ウツボカズラは日光が大好きな植物のため、日に当てることが大切です。
日照時間が少ないと、葉だけが伸び捕虫器が小さくなる場合があります。
しかし、夏場の直射日光は葉を傷める原因になるため、直射日光が当たらない場所に置きましょう。
冬場は、室内の日当たりが良い場所に置き、夜は乾燥を防ぐために袋や段ボールをかぶせて湿度を保ちます。
季節によって、置き場所を変えることが大切です。 - 土づくり
ハエトリソウと同様に、保水性・通気性のある水苔がおすすめです。
水苔だと失敗しにくく、初心者の方でも安心して育てることができます。
用土の場合は、赤玉土やピートモス、パーライトなどを混ぜて使いますが、混ぜる割合などにコツがいるため少し難易度が上がります。 - 水やり
ウツボカズラの水やりは、季節によって水分量と頻度を換える必要があります。年間を通して、葉水もしてあげましょう。
春と秋:1日1回以上、水苔の表面が乾いたらたっぷりと水をあげます。
夏:1日3回ほど。1日1回の水やりでは、土がすぐに乾いてしまうため、こまめに水をあげます。
冬:水苔の表面が乾いたら、水をあげます。水をあげすぎると根腐れの原因となるため、水分量には注意が必要です。
- 肥料
基本的に、肥料は必要ありません。
もし肥料をあげる場合は、植付け時に緩効性肥料であるマグァンプを与えると良いです。マグァンプはゆっくりと植物に必要な分だけ効果が出るため肥料焼けの心配がありません。
また、生育期である5~8月頃には月1回ほど液体肥料ハイポネックス原液を2,000倍に希釈して与えるのがおすすめです。
- 病害虫
ハダニやアブラムシ、カイガラムシ、センチュウの被害にあう場合があります。
ハダニ、アブラムシ、カイガラムシなどは見つけ次第、割り箸などでつまんで取り除いたり、薬剤をまくようにしましょう。
なお、カイガラムシは成虫になると硬い貝殻のようになり、薬剤が効かなくなります。その際には、手やブラシで取り除くようにします。
センチュウは、根に寄生して生育を阻害する害虫です。一度寄生してしまうと、薬剤も効果がありません。
長期間、植替えをしていなかったり、鉢を直接地面に置いていたりすると被害にあう可能性があります。
定期的に植替えを行い、鉢は吊り下げておくようにしましょう。 - 剪定(5月~7月)
傷んだり伸びすぎたりしている葉や茎を切り取ります。
ウツボカズラは、茎が伸びすぎると捕虫器ができにくい性質があるため、定期的に剪定するようにしましょう。
また、傷んだり枯れたりした捕虫器も、取り除きます。
一度見たら忘れられないほど、個性的で美しい食虫植物の沼は深いです…。
皆さんも、ぜひこの沼にハマってみてくださいね…