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2023.05.06 農業のこと

トマトの育て方 その2

前回は、「トマトの育て方 その1」として、キホンの『キ』の情報から植付け前の準備についてご紹介しました。
「その2」の今回は、植付け~収穫までの作業について、ポイントを押さえながらご紹介いたします!
ぜひ、最後までご覧ください!✨

1.植付け

植付けは、1番花が咲き始めた5月上中旬ごろが適期です。
霜の心配がなくなり、最低気温が15℃を超えたら植付けを始めましょう!

植付け手順

  1. 植付けの約1週間前に、マルチングを行います。
    マルチを貼っておくと、土の水分と温度を保つことができます。植付け前に、十分に地温を確保しておくと苗の根張りや伸びが良くなります。
  2. たっぷりと水をあげます。
    植え付けの約2時間前に、苗に水をたっぷりあげておきます。
    植穴にも水を入れ、湿らせておきましょう。
  3. 支柱(180cmほど)を立てます。
    1株に1本ずつ、支柱を立てます。畝に1列で植える場合は直立型。2列で植える場合は、安定する合掌型で立てるのがおすすめです!
  4. 株間 40~50cm間隔で植えつけます。
    深植えはせず、浅めに植えます。
    特に接木苗の場合は接ぎ目の部分が埋まらないように注意しましょう。

💡ここでポイント!
植付け時に、リキダスを株元にかけてあげると根張りが良くなります! 植付け時には、1000倍に希釈したものを与え、活着後や生育時には100倍に希釈したものを与えると良いです。

2.定植後の栽培管理

トマトは乾燥ぎみで育てるが「吉」!
原産地が南米アンデス高原であるトマトは、乾燥・多日照・昼夜の温度差がある気候を好みます。
乾燥ぎみに育てることで甘くなり、味が良くなります。
また、トマトは雨にあたると実割れや病気になりやすい野菜です。そのため、簡易的に雨除けを作ったり高畝にして排水を良くするなど、工夫して育てることが大切です。

誘引作業

苗が成長してきたら、生育に合わせて誘引します。
誘引は20~30cm間隔で、8の字になるように支柱に結びつけます。きつく結ぶことで、茎を傷付けないように注意しましょう。

摘芯作業

茎が支柱の高さに達したら、最後に実を着けたい花房の上の葉2枚を残して、先端を摘み取ります。
摘芯することで、上に伸びるために使われる養分を、花や茎葉、実を結びつけるエネルギーに変換でき、実が充実します。

芽かき作業

1週間に1回程度、「わき芽」の芽かきを行います。「わき芽」とは、トマトの葉の根元から出る芽のことです。
芽かきをしないと、茎と葉ばかりが生い茂り実をつけるための花房が付きづらくなってしまいます。
そのため、出てきた「わき芽」はすべて取るようにします。わき芽が伸びてくると、主枝と見分けがつかなくなってしまうため、早めに取り除くようにしましょう。
取り除く際には、手で摘み取ります。ハサミで切ると、ウイルス病を伝染させる恐れがあります。また、傷口が早く乾くように、芽かきは良く晴れた日の午前中に行いましょう。

受粉、着果作業

トマトは通常、風による振動などの自然の力で受粉されますが、支柱を棒で叩いたり手で揺らしたりして、受粉を助けてあげると良いです。特に、根元から1段目の花房は必ず着果させる必要があります
着果しないと、葉や茎ばかりが生い茂ってしまったり、2段目以降の実付きが悪くなる恐れがあります。

着果促進には『トマトトーン』!

トマトは、花が咲いても実がならないことが、しばしば…。  「手軽に確実に、実を付けたい!」「実を大きくしたい!」そんな方におすすめなのが『トマトトーン』です!
トマトトーンは、植物の成長や発育をコントロールし、品質や収穫量を上げたり、不良条件下での収穫量を安定させたりするための「植物成長調整剤」です。
特に、トマトやナスに有効で、着果を促進させたり実を大きくする作用があります。
低温、日照不足などの際にも着実に着果させ、収穫量の増加が期待できます!

【 トマトトーンの上手な使い方 】

  1. 原液を希釈する。
    原液のトマトトーンを使用する際には、気温が20℃以上の時は100倍に、20℃以下の時は50倍に希釈します。
    スプレータイプのものを使うと、希釈する手間がなく気軽に使えます。
  2. 散布する。
    希釈液はスプレーボトルに入れて使用します。花を手で持ち、花や花房に直接吹きかけます。
    なお、トマトトーンは花と花房のみに吹きかけます。茎や根の先端部分(生長点)にかけてしまうと、トマトの生長を妨げたり、果実の形を悪くしてしまったりする恐れがあります。
    ひとつひとつ丁寧に散布することが大切です。
  • 使用時期
    開花前3日~開花後3日くらい。(1花房で3~5花ほど開花した時期、気温20℃以上)
    ※暑い日は、朝か夕方に行うようにします。
  • 総使用回数
    1花房につき1回
  • 使用量
    花房や花がぬれる程度

追肥

開花後、実がついて大きくなり始めたころに追肥をします。
マルチをめくり、張り出した葉の真下あたりに撒きます。1株あたり、約25g(一握りくらい)の化成肥料を施し、軽く土寄せをします。
めくったマルチを再度かけて完了です。

摘果

大玉トマトの場合は、1つ1つの実を大きくするため、1房につく実の数を4~5個になるように摘果します。
なお、ミニトマトの場合は、摘果の必要はありません。中玉トマトも基本的には、摘果不要ですが実の大きさが気になる場合は摘果します。

収穫

ガク(ヘタ)が反り返ったら、収穫適期です。
ヘタの部分まで赤くなったら、収穫しましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました!
『トマトの育て方』シリーズは、これにて完結です✨
夏に向けて、ちょうど今が植付け時のトマト!ぜひ、育ててみてくださいね!