2024.11.19 農業のこと
作物の寒さ対策を知ろう!#きほん編
うだるような暑さが終わり、もうすっかり秋の陽気。朝晩と冷え込む日が多くなってきました。
人間が寒さ対策をしないと風邪をひいてしまうように、作物も寒さ対策をしてあげないと弱ってしまいます。
そこで今回は、これからの時期に欠かせない、作物の寒さ対策についてご紹介します!
寒さ対策について理解し、元気な作物を育てましょう!
もくじ
1. 寒さ対策をしないとどうなるの?
2. 寒さ対策の方法
- トンネル
- べたがけ
3. 被覆(ひふく)資材の種類
- 作物を覆う場合
- 土を覆う場合
1. 寒さ対策をしないとどうなるの?
比較的寒さに強いといわれている作物でも、凍るような寒さのもとでは生育が緩やかになり、葉が傷んだり枯れてしまったりする恐れがあります。冬越しするエンドウマメやソラマメなども、霜に当たると株が傷みやすくなります。
作物の種類や生育状況によっては、たった一度の霜で完全に枯れてしまうなんてことも…。
そのため、作物を冬の寒さから守るためにも、適切な寒さ対策をとることが肝心なのです!
2. 寒さ対策の方法
寒さ対策には主に2つの方法があります。
それぞれの特徴を理解して、作物にあった寒さ対策の方法を検討しましょう!
トンネル
アーチ状の支柱をたて、その上にビニールや不織布といった防寒用シートを被せてトンネルを作る方法です。
トンネルをつくることで、内部の温度が下がるのを防ぎ、生育に必要な温度を保つことができます。
また、霜や雪が当たらなくなるので作物が長持ちし、長期間収穫できるのも嬉しいポイント。
背の高い野菜を育てている方におすすめです。
べたがけ
不織布や寒冷紗などの被覆(ひふく)資材を、作物に直接被せる方法です。
霜よけはもちろん、保水・保温効果のほか、防風の効果もあります。
トンネルのように支柱を用意して組み立てる必要がないので、手間をかけずに簡単にできるのが嬉しいポイント。
ただ、軽い被覆資材は風で飛ばされやすいので、土やおもりなどで抑えておくとGoodです!
3. 被覆資材の種類
被覆資材には様々な種類があります。
それぞれの特徴をよく知って、栽培する野菜や気温に応じて選ぶことが大切です!
作物を覆う場合
作物全体を覆うに際に使用する被覆資材が以下のものがあります。
- 不織布
網目がない布で、寒冷紗や防虫ネットよりも保温効果が高いのが特徴です。
価格も比較的安く、初心者の方でも使いやすい資材です!
比較的軽いので、べたがけしても作物への負担がありません。
ただ、風で飛ばされてしまう場合があるため、おもりやピンなどで飛ばされないように気をつける必要があります。 - 農業用ビニール
不織布と比べて保温効果が高いので、12~2月頃の寒さが厳しい時期での栽培や寒さに弱い作物に向いています。
トンネルの中によく光が入る時間帯は、内部の温度が上昇し暖かさが保たれます。
しかし、夜間は日中に温まった地面が冷やされ温度が下がることがあるので注意が必要です。
この現象を放射冷却といいます。放射冷却を防ぐためには冷気が溜まらないように、ビニールに穴をあけておくなどし、風通しをよくするといいでしょう。
土を覆う場合
土を覆う際に使用するのが以下のものになります。
- 落ち葉、ワラ
落ち葉やワラを土に被せるだけでも、寒さ対策ができます。
使った後は土にすき込んでおくことで微生物の餌となるので、土壌改良効果も期待できます!
ゴミがでないのも嬉しいポイントです。 - ビニールマルチ
除草を目的として使用されることが多いビニールマルチですが、
霜に当たるのを防いで風も通さないので、寒さ対策にもなり保温効果も期待できます。
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寒さ対策をしっかり行うことで丈夫で美味しい野菜を育てることができます。
みなさんも寒さが厳しくなる前に寒さ対策をしっかりおこない、おいしい野菜を育てましょう!
参考資料
・藤田 智 監修『藤田 智の新・野菜づくり大全』-NHK出版