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2024.06.09 農業のこと

梅雨の病気に気を付けよう!やさい編

雨の日が多くなり、ジメジメとした陽気が続く梅雨はいろいろな病気が発生しやすい季節。
せっかく育てた夏野菜が収穫目前でダメになってしまう、なんてことも…。
特に、トマトやスイカ、かぼちゃなどの雨量が少ない地域が原産の野菜は、雨の多い環境だと弱くなり病気にかかりやすくなってしまうので要注意。

そこで今回は、梅雨に発生しやすい病気と、その予防・対策についてご紹介します!
美味しい野菜の収穫に向けて、おさらいしておきましょう~!

もくじ

1. なぜ、梅雨に病気が発生しやすいの?
2. 梅雨に発生しやすい『 3つの病気 』と予防・対策
 - うどんこ病

 - べと病
 - 疫病(えきびょう)

1. なぜ、梅雨に病気が発生しやすいの?

実は、植物の病気の7~8割はカビが原因!
土の中や野菜の表面が高温多湿になると、カビや細菌が増えやすくなります。(うどんこ病は別)
そのため、雨の日が多く、気温が高くなってくる梅雨の時期は病気が発生しやすくなるのです。

また、梅雨は感染が拡大しやすい季節でもあります。
カビの中には水中を泳いで移動するものや、畑に残された残渣(ざんさ)に潜んでいるものなどさまざまな種類がいます。
雨の多い梅雨の時期は、作物の表面をつたう水や土壌を流れる水の中を泳いで移動したり、雨による泥はねを利用して植物に感染したりできるので、感染拡大しやすい環境にもなります。

※『残渣』:作物の収穫後に残る、茎や葉、つるや根などの残骸物のこと。

2. 梅雨に発生しやすい『 3つの病気 』と予防・対策

うどんこ病

どんな病気?

  • 発生時期:4~11月
  • 発生しやすい野菜:ウリ科
  • 被害部位:葉、茎、蕾、花、果実
  • 発生しやすい条件
    気温 20℃前後
    湿度 50~80%
    昼と夜の寒暖差が激しい
    葉茎が生い茂り、通気性と日当たりが悪い
    肥料の効きすぎ

うどんこ病は、キュウリやかぼちゃ、スイカなどのウリ科の野菜によく見られる病気です。
葉っぱの表面に、まるで「うどん粉」をまぶしたような症状があらわれます。
梅雨に入り、雨が多くなるとそこまで発生しませんが、気温が低く湿度が低い梅雨入り前や、空梅雨の年に多く発生します。

葉っぱが白く覆われることで光合成の邪魔をされたり、野菜の栄養を奪って生長を止めてしまう厄介な病気。
花が咲かない、野菜の味が落ちてしまう、実が大きくならないなどの被害が出ます。
ひどい場合は、発症した葉が黄色くなって枯れてしまうこともあります。

予防

  • 肥料をあげすぎない。
    土の中のチッ素が過剰になってしまうと、発症しやすくなってしまいます。適正な量を与えるようにしましょう!
  • 密集での栽培を避ける、葉や実をつけすぎない。
    通気性や日当たりを良くすることで、発症を抑えることができます。
  • 予防として、適用のある薬剤を散布しておく。
品名適用作物名使用時期効果
ボトキラー水和剤野菜全般発病前~発病初期予防
ダコニール1000キュウリ、ナス、トマト、ピーマンなど作物によって異なる予防
インプレッションクリア野菜全般発病前~発病初期予防

かかってしまったら

  • 発病した部分を取り除く。
  • 適用のある農薬を散布する。
品名適用作物名使用時期効果
カリグリーン野菜類全般収穫前日まで治病
サンクリスタル乳剤野菜類全般収穫前日まで治病
アーリーセーフ野菜類全般収穫前日まで予防・治病

べと病

どんな病気?

  • 発生時期:4~7月、9~10月
  • 発生しやすい野菜:ウリ科、アブラナ科、ネギ類
  • 被害部位:葉、茎、蕾
  • 発生しやすい条件
    気温:アブラナ科、ネギ類 10~15℃
       ウリ科 20~24℃
    湿度:多湿
    密集で栽培している
    肥料の効きすぎ または肥料不足
  • 土壌からの泥はねが原因で発生

キュウリを始めとしたウリ科の野菜や、キャベツやブロッコリーなどのアブラナ科の野菜、ネギやタマネギに多く見られる病気です。
低温多湿の環境になると発生しやすくなります。

べと病は感染した野菜の種類によって、違った症状がでます。
ウリ科野菜の場合は、葉の表面に角ばった黄色の斑点がいくつもでき、裏側には灰色のカビが出てきます。
一方、アブラナ科野菜の場合は、輪郭がぼんやりとした淡い黄色の斑点が、まばらに出てきます。
症状が進むと葉がそのまま茶色になって枯れてしまいます。
発病した葉っぱは、雨の日が続いて湿気が多いとベトベトになります。まさに「べと」病ですね。

予防

  • 連作を避ける。
  • 高畝や排水路をつくり、水はけを良くする。
    土の中の湿度が高くなると発生しやすくなるため、高畝で栽培し排水性を良くすることで発生を防ぐことができます。
  • ビニールマルチや敷きワラなどを活用し、泥はねを防ぐ。
    べと病は、土の中にいる病原菌が泥はねによって作物に付着することで、感染してしまうことが多いです。
    マルチや敷きワラによって泥はねを防ぐことで、べと病の発生を抑えることができます。
  • 密集での栽培をさけ、風通しよく育てる。
    人間の世界でも同じように、風通しが悪く湿った場所にはカビが生えやすくなります。
    日頃から、日当たりと風通しの良い場所で管理をし、べと病の原因であるカビの発生を抑えることが大切です。
  • 肥料を適正な量で与える。
    うどんこ病と同じように、チッ素が多すぎてしまうと発症しやすくなります。
    また、肥料不足で株が弱くなっても発病しやすくなるので適正な量の肥料を与えることが大切です。
  • 梅雨に入る前に、予防として薬剤を散布する。

かかってしまったら。

  • 発病した株を抜き、収穫後の残渣(ざんさ)も処分する。
  • 適用のある農薬を散布する。
    ※多発した後だと、薬剤をまいても効果が得られないことがあるので発病初期の散布が効果的です。
品名適用作物名使用時期効果
シグナムWDGネギ、タマネギ、キャベツなど作物によって異なる予防・治病
ベトファイター顆粒水和剤キュウリ、ネギ、タマネギなど作物によって異なる予防・治病
リドミルゴールドMZキュウリ、ネギ、タマネギ、キャベツなど作物によって異なる予防・治病
ランマンフロアブルキュウリ、ネギ、タマネギ、キャベツなど作物によって異なる予防・治病

疫病(えきびょう)

どんな病気?

  • 発生時期:梅雨、秋雨の時期
  • 発生しやすい野菜:
    ジャガイモ、トマト、ピーマンなどのナス科の野菜
  • 被害部位:葉、茎、果実、根
  • 発生しやすい条件
    気温:15~20℃
    湿度:多湿
    密集で栽培している
    肥料の効きすぎ または肥料不足
    水はけの悪い場所で栽培している

トマトやジャガイモ、ピーマンなどのナス科の野菜がかかりやすい病気です。
特にトマトの被害が多く、まだ大きくなっていない若い実に発生し、内側から腐らせてしまいます。
低温多湿の環境で発生しやすく、梅雨や秋雨の時期に水はけの悪い場所で多発します。

症状としては、まず、葉や茎、果実などに水がしみたような斑点ができます。
根や芋の部分が感染すると、こげ茶色の斑点模様ができます。
進行すると白いカビで覆われ、株が枯れてしまうこともあります。

予防

  • 高畝にしたり排水路を作るなどして、水はけを良くする。
  • ビニールマルチや敷きワラを活用し、泥はねを防ぐ。
    疫病の病原体は、土の中いるカビです。 雨の時や水やりの時に泥はねして、土が葉や茎に付着することで感染します。
    また、土の中に水分が多いと病原体が泳いで移動することができるので、被害が一気に広がってしまうことも…。
    まずは、水はけの良い環境を作り、病原体が作物に付着しないようにマルチや敷きワラや活用するのがオススメです。
  • 連作を避ける。
    トマトは、連作を避け、ナス科やウリ科との輪作も避けましょう。
    トマトの後作には、インゲンを除くマメ科やアブラナ科野菜がオススメ。
  • 適用のある薬剤を散布する

かかってしまったら。

  • 発病した株は抜き取り、畑から遠く離れた場所で処分する。
  • 適用のある薬剤を散布する。
品名適用作物名使用時期効果
ダイナモ顆粒水和剤トマト、ジャガイモ、サトイモ など作物によって異なる予防&治病
ベトファイター顆粒水和剤トマト、ジャガイモ、カボチャ など作物によって異なる予防&治病
Zボルドートマト、ジャガイモ など作物によって異なる予防&治病
ランマンフロアブルトマト、ジャガイモ、ピーマン など作物によって異なる予防&治病

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最後までご覧いただきありがとうございました!
梅雨時期の病気を抑えるためには、早めの予防と対策が何より大切です。

参考資料
・根本 久『迷わず解決!やさい病害虫ハンドブック』-NHK出版
・藤田 智 監修『藤田 智の新・野菜づくり大全』-NHK出版